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敷金について、本気だして考えてみた。

更新日:2020年12月7日


引っ越しはお金がかかる。

なんとなくあてはつけていても、いつの間にかそれ以上に消費しているのが引っ越しだ。


できれば家具や家電、家に必要なものにお金をかけたい。

となると、やはり抑えるべきは初期費用である。


よくある敷金礼金ゼロ物件だったら初期費用が安く仕上がるのではないだろうか。

そもそも敷金礼金の役割とは?

そんな声にお答えして、賃貸不動産における敷金礼金の役割と、不動産やオーナーと揉める要因である敷金について、詳しくお話しよう。



敷金と礼金

 

賃貸を探しているとよく目にする敷金と礼金。

東と西では意味合いが違うこともあり、2020年4月の憲法改正後もまだ地方によって呼び名が違うこともあるが、大体の認識で覚えておいてほしい。


敷金

民法622条の2第1項の定義では「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。」

礼金

主に関東地方において、「不動産賃貸借契約の締結の際に賃借人賃貸人に対して支払う一回払いの料金である」原則として返還されるべき敷金保証金建築協力金などとは異なる。近畿地方における敷引き(賃貸人が「敷金」として受領した金員のうち一定額を返還しないこと。なお、当該一部については不返還である以上は法的には敷金ではないとも考えられる。)に相当する。

敷金は担保。貸主が預かるお金である。

礼金はオーナーさんへのお礼として払うものであり、相談できる事が多い。

「敷礼」と不動産業界では同じ括りで話をするが、用途は全く別物であることを理解してほしい。

賃貸借契約に限った事ではないが、契約において重要なのは「用語をきちんと理解する」ことである。



初回賃貸借契約書類は必ず保存すべし。

 

上の敷金礼金の話をしたところで、意外と重要なのは預けている敷金だということがなんとなくわかって頂けたかと思う。

預けているお金なので当然返してもらう権利はある。

退去を考えている方はきっとここでネットやSNSで前例を調べることだろう。

が、その前に一度確認してほしいものがある。


住み始める時に契約時に交わした、「初回」の賃貸借契約書類だ。


契約書類には読む気も失せるほど小さく文字がびっしり書いてあるが、紛争防止条例に基づく説明書と併せてもう一度読み直してみよう。

特約も見逃してはいけない。

いくら契約書類であーだこーだと書いてあっても、特約に記載があったらそちらも有効になる。

そして現在その部屋に住んでいるということは、契約時書類にサインをしているはずだ。


特約で多いのは、ハウスクリーニング代に関する一文だろう。

最近だと敷金が0円の代わりに、初回契約時ハウスクリーニング代としていくらか支払う場合もあるが、それ以外も退去に関する条文は必ず契約時に説明をされているはずだ。


更新契約書ももちろん大事なのだが、初回の契約書は絶対に無くしてはいけない。

とても大事なものなので、自分が覚えておける場所に保存しておこう。


契約書に署名捺印があるのに、「聞いていなかった」では通用しない。


そのための契約であり、契約書である。


契約時に気になる文章や、意味のわからない説明はその場で質問しても大丈夫。

むしろどんとこい。

契約に不公平があってはいけないので、わかるまできちんと説明してくれるはずだ。



なぜ起きる、敷金トラブル

 

賃貸において「入居者から聞く言葉トップ3」の映えあるNo.2に輝くのは”知らなかった”である。

上記でもまとめたように、賃貸借契約を結んだ時に全て伝えているはずだが、小難しい言葉や文言が続くし、契約に長い時間を割くため、最後まで聞いていない方も多い。


しかし、今後自分が住む部屋の契約である。

きちんと聞いておいて損は絶対にない。

できれば要点だけでも聞いて頂きたいのが不動産会社の気持ちだと伝えておこう。


退去の際も、知らなかった、では済まされない事が多い。

退去時どれだけキレイに掃除をしていても、敷金からクリーニング代を引く、と特約に記載があれば、クリーニング代は差し引きされる。

契約後一年以内に解約の場合、違約金がかかると書いてあれば、一年未満での解約時は違約金がかかる。

退去予告が二ヶ月前となっていれば、退去の連絡を入れてから二ヶ月後までは家賃がかかる。


今は何でもネット調べられるいい時代ではあるが、実例の情報を鵜呑みにして、全て自分の場合も適用されると思ってはいけない。

退去時、お部屋確認のために立ち会いがある場合は、その時に契約書を持っていてもいい。


もちろん、敷金は返金されるべきものであるし、2020年4月の法改正でかなり賃借人に寄り添ったものになった。

だからこそきちんとした知識を持って対等に話し合うのは大切な事だし、管理会社もオーナーさんも真摯に対応するのが大事だ。



まとめ

 

日本の契約はとにかく時間がかかるし、まどろっこしい言葉を使うし、必要なところ以外にもだらだらと話をされる事も多い。

けれどきちんと聞いておくことで、いつかの自分を助けることもある。


契約から退去まで、自分の住む家の事なのだ、という認識をしっかり持って、わからなかったらぜひ管理会社に聞いてほしい。


誰もかれも揉めたいと思っているわけではない。

できれば揉めたくない(大事な事なので二度



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