最高の部屋が見つかった。気に入ったあれも置けるし、夢が広がるなぁ…よし、いざ契約!あ、でもその前に契約時にかかる費用を確認しておかないとな…
新生活への憧れでふわふわと高揚していた気分が奈落の底まで突き落とされる瞬間である。
間違いがないか、項目の上から確認していくと、ある保険名が目に入った。
火災保険?
賃貸に慣れている達人であれば、すんなり理解できるが、火災保険なんて何やら責任重大そうな名前の保険に加入前提で話が進んでいるのだ。驚くのも当然である。今回はそんな火災保険について、必要性と利便性、その理由について話をしよう。
火災保険とは
その名の通り、火災や様々な事故による損害を補償してくれる保険である。
実家を出て初めて一人暮らしをする方にとっては、あまり身近ではない保険かもしれないが、実はこの保険、一人暮らしをする上でかなり重要な役割を果たしている。
その名の通り、火災や様々な事故による損害を補償してくれる保険である。
賃貸物件においての基本保証は、家財。
家の中に置いてある、自分で買った家具や電化製品など。建物の保険はオーナーさんが加入するものなので、あくまでも保証対象は家財だ。
被害を受けた家財はもちろん、費用の保証、偶然な事故で賃貸物件に損害を与えてしまった場合の損害賠償責任や、他人に怪我を負わせてしまった場合の個人賠償責任も保証してくれるのだ。
どんな時に使えるの?
火災保険という名前が表す通り、もちろん火災が起きた時に適用されるが、実はそれだけではない。
火災保険保証一覧(補償内容によっては保証対象外なものもある)
落雷、爆発によって起きた火災による家財の損害
風災、雹や雪による家財の損害。
住宅外部からの飛来物、落下、衝突
給排水設備や他の戸室の事故による水濡
騒擾、労働争議に伴う暴力・破壊行為
盗難、通貨の盗難
水災
上記以外の不測かつ突発的な事故(破損、汚損など)
引越中の家財の事故
なんとこんなに多くの保証がついている。
加入する保険の種類によっては保証対象外なものもあるので、火災保険加入時にもらったパンフレットや保証一覧を確認してほしい。(盗難や通貨の盗難には上限や申請が必要なことも多いので注意)
その他以外なところだと、ドアロック交換保証や臨時賃借保証などもついている場合もあるので、加入時には必ず理解して入るようにしたい。
事故が起こった時の申請方法
実際に事故が起こった時は一体どうやって申請すればいいのか。
火災が起こった時には身の安全一番なので、安全を確保してから、加入している保険会社に電話をしてほしい。
それ以外の例を紹介しよう。
例:台風によって窓が破損し、ベッドがずぶぬれになってしまった
事故が起こった日時を確認する
台風が起きた日に在宅だった場合は、事故が起こった時間を確認する。留守の場合、時間は推定でかまわない。
現場の写真を撮影する早く片付けてしまいたい気持ちをぐっと堪えて、いろんな角度から現場の写真を撮って保存しておく。
特に重要なのは写真。きちんと事故現場の状況がわかるように撮影しよう。
もし濡れてしまった家財の値段がわかれば、その値段も書き留めておく。
加入している保険会社、または取次店(賃貸契約をした不動産会社でも大丈夫)に連絡をする。
保険証券があればそれを手元に置いて連絡をする。
事故受付センターの連絡先がわからない場合はネットなどで調べておくとスムーズだ。
保険証券が見当たらない場合は、連絡した時に見当たらないことをきちんと説明して、名前などで検索してもらおう。
事故の状況をあらかた説明し、「保険金請求をしたい」という旨を伝える。
すると数日後、保険金請求のための書類が、契約住所に送付されてくるので、必ず確認しよう。
保険金請求のための書類を返送する
保険金請求のための書類が送られてきたら、同封されているガイダンスに沿って記入していく。
この時に保険金振込口座などを記載することがあるので、あらかじめ用意しておくといい。
損害の内容は詳しく書いておくこと。
この時に、事故現場を撮影した写真を現像して同封しておこう。
保険会社によって請求の仕方は多少異なるが、流れは同じである。
申請してから約2週間から一ヵ月程度で保険金は振り込まれるはずだ。
地震保険とは
火災保険とは別に、地震保険というものがある。
地震保険とは地震、噴火またはこれらを原因とする津波による火災、損壊、埋没または流失による損害を補償してくれる保険だ。
賃貸における地震保険は火災保険と同じく、家財のみの対象となる。
火災保険に加入している際注意しておくことは、
地震もしくは噴火または津波を原因とする火災の損害は、通常の火災保険では適用されないということ。
なので、地震が多い地域などでは地震保険に加入する率が高い。
最近では火災保険に加入する際、地震保険もセットになっていることもある。
地震保険加入が任意の場合、一人で賃貸に住んでいて、何がおきてもすっぱり諦められる程度の家財しかない人は取り外してもいいだろう。
暮らし方や家財の多さによって、地震保険の加入を検討してもいいかもしれない。
まとめ
「たいした家財を置いてない」「料理もしないし火事が起こる可能性も少ない」そんな理由で加入をためらっている人も少なからずいるだろう。
だが、自分だけではない、隣人や大家に迷惑をかけてしまった場合の保険にもなる。
災害大国である日本において、火災保険という仕組みは人々の暮らしを支えているものであり、持ち家はしかり、賃貸であってもそこにある住まいに入居するのであれば加入すべき保険であることを、不動産屋からも伝えておきたい。
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