地震大国である島国日本。
人間では感知できないような小さなものまで数えたら、いつもどこかで発生している。
自然災害の前で人間は無力な事を痛感させられるが、それは変えられない事実であり、受け入れなければいけない。
だが、被害を最小限に留めるために知識を持っておくことはできるはずだ。
備えあれば憂いなし、ぜひ試してみてほしい。
目次
地震前
・地震だけではない。災害はいつでも起こる、だから備えをしよう
・様子がおかしいな、と思ったらすぐに管理会社またはオーナーへ
地震時
・まずは身の安全を確保しよう
・揺れが収まったら
地震後
・部屋の点検、揺れが収まったらやることリスト
・地震前と比べて設備に異常を感じたら必ず連絡をしよう
・オーナーさんへ耐震診断のすすめ
まとめ
地震前
地震だけではない。災害はいつでも起こる、だから備えをしよう
災害は時期を選んではくれない。
台風などは季節があるものの、最近は未曾有の大雨による水害なども多数起きている。
そんなもの全く発生してほしくはないが、万が一のために準備をしておこう。
一般的な備えに関しては東京防災というハンドブックがとても約に立つ。
以前東京都では都内全域にこのハンドブックを配布をしていたので、都内に在住の人の中には突然ポストに入っていた、真っ黄色の表紙に覚えがある人もいるかもしれない。
一冊130円(税別)で購入も可能なようだが、PDF版がネット観覧も可能なので、全編読み込み、必要な箇所を印刷して見えるところに貼っておく事をおすすめする。
こちらでは賃貸における備えをいくつか紹介しておこう。
まず、東京消防庁の図にもあるように、必ず避難の導線は確保しておくべきだ。
常日頃から避難時の事を考えて物を配置するようにしよう。
適切な掃除も必要だ。物を出しっぱなしだと、避難時に躓いてしまうかもしれない。
棚やタンス、ラックなどには転倒防止策を講じよう。
賃貸だと壁に穴が開けられない場合が多いが、上や横から突っ張り棒で倒れないように固定をしたり、ゲル状の転倒防止マットを置く、転倒防止プレートをひくなど様々な対策グッズがある。
棚は重いので、もし覆いかぶさってきたらその場に足止めされてしまう可能性もある。きちんと対策をしよう。
クローゼットや食器棚のような観音開き棚の中身飛散防止にはS字フックロックが役に立つ。
また、見せる収納やお酒、フィギュア、本などは棚の中であっても、紐やワイヤー、DIYで余った木の棒、もしくは突っ張り棒などを横に引っ張っておくと落下防止になる。
この辺りは大事なものを置いてある場合が多い。
しっかり守っておくと、あとで心の癒しにもなるのでぜひともおすすめしたい。
本には落下防止テープというものもあるので、予算や自分の器用さと相談して決めよう。
また、携帯電話の充電は常に保っておこう。
今は個人でもソーラー充電器なども手に入る時代だ。
一家に一台、手回しまたはソーラー充電付きの充電器を持っておくことをおすすめする。
水に関しては、「汲みおいておこう」という助言もあるが、最近はシャワールームのみの賃貸も多く、なかなか積極的に汲み置きをできない場所もある。
最近だと、スーパーなどで初回にボトルを購入すれば、その後無料で給水できるというサービスがある。
このサービスとてもありがたいのだが、とにかく使用期限が短い。
飲料水としてはきちんと災害用のミネラルウォーターを買っておき、それ以外の生活用水であれば、このサーバー水を使用するのも手だ。
様子がおかしいな、と思ったらすぐに管理会社またはオーナーへ
普段から設備をフル活用するような生活をしている人なら、少しの不具合も見逃すことはないが、そんな生活をしている人の方が稀であり、家にいても多少の事なら何かと一緒でいいかと報告を後回しにしてしまうことが多い。
だが実はその報告を後回しにしていたがために、地震が起こった際被害を助長させてしまったケースもある。
そうならないためにも、不具合を見つけたらすぐに管理会社やオーナーさんへ伝えてほしい。
とは言っても、些細な事でいちいち連絡をするのはとても面倒。
いくつか例をあげるので、こんな不具合を見つけた場合は連絡をお願いしたい。
給湯器のリモコンにエラーがでる(使用に問題がない場合も含む)
少しガス臭い
窓や玄関室内ドア、網戸、シャッターが開きづらい
使用には問題はないが、部屋のどこかから水がぽたぽた漏れている、または流れている音がする
給湯器から音がする、冬でもないのに煙がでている
電力消費を増やしていないのに、以前よりブレーカーが落ちやすい
あくまで一例、他にも気になることがあったら何でも相談して大丈夫だ。
修理や報告の仕方についてはこちらを参考にしてほしい。
地震時
まずは身の安全を確保しよう
地震が起こったらーーー
そんなシミュレーションを行っている人も少なくないと思うが、実際起こった時はパニックになるものだ。
まず最初は、身の安全を確保すること。
これより先にすることはない。
ペットと一緒に住んでいたらと不安になる事もあるかもしれないが、自分の安全が確保されない限りペットを助けにいくことも不可能だ。
一番最初にすることは身を守るために机の下、椅子の下に隠れて頭を隠そう。
揺れている間は火を止めにいったり、無理して動こうとしなくても大丈夫だ。
ガスメーターには震度5以上の地震の際に、検知して自動的に動作を止める機能も備わっている。
過信はするものではないが、緊急時には役立つ機能なので慌てずにまずは身を隠そう。
揺れが収まったら
揺れが収まったら、避難口の確保をしよう。
1Fに住んでいる場合は玄関またはベランダ。
2F以上の入居者は玄関を開けてみてほしい。
万が一開かない場合は、ベランダまたは押し入れに、非常用の避難はしごが備え付けてあるはずだ。
おちついてそのはしごを指示通りに設置してほしい。
少しでも不安がある場合、家の中に物が散乱している場合は、無理はせず隣の部屋などと声をかけあって一緒に逃げる、または救助を待つのも手だ。
高層マンションの人は避難経路と案内されている階段やはしご、エレベータがあるはずなので、そこから脱出できる。
次に火の元の確認をしてガス元栓をしめ、停電しているようであればブレーカーを落とそう。
ブレーカーは停電が終わった通電時に火災が発生する可能性が高い。
地震による火災発生を防ぐため、停電が終了するまでブレーカーは下げておいてほしい。
水道の元栓も不具合防止のために閉めることをおすすめする。
とにかく余震に気を付けて、急がず無理をせず、建物に倒壊の危険があれば即時避難所へ。
地震後
部屋の点検、揺れが収まったらやることリスト
無事部屋へ帰れて、停電も復旧したらまずは被害の状況を確認しよう。
ガスメーターを確認し、緊急措置で止まっていたらあける(開け方はガスメータについている冊子で確認できる)
水道ににごり水が混じっていたら、綺麗な水になるまでしばらく出しっぱなしにする
エアコンが問題なく動くか、コンロ・IHは使用できるか、お風呂の設備に異常はないか、トイレの排水などの際流れにくいなど異常ないか、洗面設備に不具合はないか、洗濯給排水も問題ないか、電気設備はきちんと点灯するかなど、設備でついていたものを一つ一つ確認していく。
家具、外からの飛来物などで部屋を傷つけていないか確認する
地震の被害については、地震保険でないと下りない。
地震保険に入っているかどうかは証券を見れば確認できる。
地震前と比べて設備に異常を感じたら必ず連絡をしよう
小規模な地震でもよくある問い合わせの一つとして、ガスがつかない、共用部の電気がつかない、トイレが流れにくい、など。
ガスがつかないはガスメータが止まっている可能性があるので、ガスメータを確認してもらいたい。
それでもつかない、いつもと違うと感じた場合は、コンロや給湯器に異常が発生している事もある。
共用部の電気は、分電盤の異常や、大元のブレーカーが下がっていることがある。
ある場所がわからなければ、管理会社やオーナーに連絡を。
トイレが流れにくい、排水がたまったまま等排水に関するものは、配管の不具合が考えられる。
配管に関しては、放っておくと水漏れなどにつながるので、早急に連絡をしてほしい。
いずれにせよ、部屋についている設備が地震の前と後で動きが違う場合は、放置せずすぐに連絡をしてほしい。
こんな小さなことで、という方もいるが、その後の余震などで大変な被害になる可能性もあるので、気づいた時に知らせるようにしよう。
また、共用部や廊下、屋根などに異常があった際は、管理会社やオーナーが気づいていない場合もあるので、ぜひ教えてほしい。
万が一階段や廊下などにヒビが入っていた、一部崩落している場合、倒壊の危険性がある。
オーナーさんへ、耐震診断のすすめ
現状賃貸は飽和状態となっているにも関わらず、新築がどんどん建築されているが、いまだ古い建物も沢山建ち並んでいる。
地震が起き、万が一部屋や共用部などが崩落して入居者に何かあった際には、管理責任を問われる可能性は十分にあり得る話だ。
その時はオーナーも被災者である可能性が高いが、賃貸として貸している以上、建物を管理していかなければならないため、きちんと前もって安全を確認しておかなければならない。
耐震診断については、行政から補助金が出る。
一番被害を受けやすい木造建築にも対応しているので、ぜひ区に問い合わせをしてほしい。
ニューズボックスで多く取り扱いのある杉並区、中野区の耐震化支援事業はこちら
リフォームなども耐震に対応することもできる。
古い建物はそれだけリスクがあることを、オーナーにもきちんと把握しておいてほしい。
まとめ
地震大国日本において、地震はどの地域でも起こっている。
被害を最小限に留めるためには、やはり私たちの意識の改革が必要だ。
大きな地震が起こるたびに「用意をしよう」と意気込むものの、防災バックのセットを購入して、何年もそのままになっていないだろうか。
たまには防災バックを見直して、本当に必要なものを確認しよう。
地震はいつか必ず起こるもの、と考えて日々できる限りの用意をしておきたい。
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