家に帰ると、ドアを開けた瞬間に「おかえり!」と出迎えてくれる存在。
気づけば隣で同じ格好で寝ていることもある。
いつでもそばにいるのが当たり前で、離れるなんて考えた事もない。
大好きなペット。
しかし賃貸物件におけるペット飼育の敷居は意外と高い。
部屋探しの条件に「ペット可」を入れた瞬間、極端に下がるヒット件数。
ペット可の物件を見つけたとしても、敷金が増額されたり、ペットの種類が限定されていたり…
挙句の果てには賃料の増額など、ペット可だけれどもペットを飼う事が悪いことのように扱われているところも多い。
大事なペットと一緒に賃貸で暮らすためには「大事な要点」が多々ある。
それを不動産屋目線でまとめてみたので覗いてみてほしい。
ペット可物件には沢山の「だめ!」がある
ペット可物件を借りたことがある人なら知っているかもしれないが、誓約書を書かされる場合がある。
その中身をきちんと見てみると、様々な禁止事項が書かれていることに気づくだろう。
賃貸でペットを飼う上で何よりも重要なのはしつけ
飼い主によってしつけの度合いに差はあるが、持ち家ならまだしも、集合住宅の中で飼うのであれば、飼い主もある程度の勉強は必要だ。
〇寂しくて鳴いたり、興奮して吠えてしまう
ペット関連の苦情で圧倒的に多いのは「鳴き声」である。
小さい頃はあまり声が大きくなく、鳴き方もか弱いため、ひゅーんきゅーんと鳴いていたらかわいそうだと構ってしまいそうになるだろう。
しかしあまりにそれが日常になってしまうと、ペットにとっても当たり前になってしまう。
ペットにとって持ち家だろうが賃貸だろうが、そこは自分の住処であり変わりはないため、どこでもかしこでも鳴き癖を披露してしまうことになる。
そして動物の声というのは、広く大きく響くのだ。
犬の声など、一声鳴けば集合住宅全域に聞こえてしまう。
小さなころは、とにかくあまり構いすぎないこと。
いつでも駆けつけてしまうと、ペットが自分より飼い主を下に見てしまい、見境なく鳴いたり困らせることを覚えてしまうからだ。
必要な時に必要なことを教え、鳴かなくてもいいことがある、というのを覚えさせてあげよう。
〇壁や柱、床に爪をたてたりかじったりしてしまう
持ち家だったら「またやってる」で済むかもしれないが、賃貸において壁や柱を傷つけることは重大な責任問題になる。
壁紙だけならまだしも、その下の柱などに傷をつけてしまった場合、退室の際に敷金から修繕分を引かれたり…
基本的にペットがつけた傷は経年劣化に含まれない入居者の全額負担のため、設備に傷をつけてしまった場合、飼い主がその後始末をつけなければいけない。
これをすべてやめさせるのは至難の業だが、最近は噛むと変な味がするペーストや、研ぐと嫌な臭いが舞ったりするような便利なグッズもある。
全て取り上げてしまうのがかわいそうだと思ったら、代わりに爪を研いだり噛んだりできるものを用意してあげよう。
これを噛めばいい、とうことを教えてあげると、徐々にそちらを噛むようになるはずだ。
〇猫砂やウェットティッシュをトイレに流す
これはペットのしつけではなく人間の話だが、ペット可物件でよくある問い合わせの一つに「トイレが流れなくなった」というものがある。
トイレに流せる記載のあるペット用品を流したことによるつまりが圧倒的に多い。
このつまりを起こしてしまうと、業者を手配した場合は入居者負担での施工となる。
トイレに流せると書いてあるが、本来のトイレットペーパーなどに比べればつまりの原因となる場合がある。
猫砂も最初は流れていたが、いつしか詰まってオーバーフロー…なんてことも。
トイレに流せるからこそ買った方もいるとは思うが、賃貸に住んでいるのであれば、できるだけ燃やせるごみなどごみとして処理することを心から推薦したい。
まだペットが小さければいくらでもしつけは可能だが、すでに大きい場合は指南の技だ。
自分でしつけが難しいと思ったら、いきつけの獣医さんなどに相談してみるのもいい。
最初からしつけ教室という手もあるが、もしかしたらどこか痛めて鳴いている可能性もある。
健康診断を兼ねて獣医さんへ見てもらうのをおすすめしたい。
信頼のおけるしつけ教室やトレーナーを教えてもらえることもある。
住むのは一緒、ルールは人間
人間は勝手な生き物だから、勝手に境界線を引いてペットたちを窮屈な思いをさせていることに罪悪感を感じてしまう。
だが一度ペットを飼った以上、そのペットへの愛情を忘れず自分が主だと認識させるのも、しつけるのも義務である。
ペット可だからといって入居者全員がペット好きだと勘違いしてはいけない。
時代の波に乗って途中からペット可物件になった可能性もあるし、入居者から同意は得ているとはいえ、きちんと節度はわきまえるべきである。
賃貸物件でペットを飼うのであれば、長く住むためにも、物件内でのトラブルを減らす努力を飼い主も怠ってはならない。
ペット可物件とはいえ、住んでいるのは人間とペットである。
それは普通の賃貸物件と何ら変わらないことを忘れないでほしい。
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